新卒の理学療法士の就職先は、急性期・回復期の病院やクリニックを選ぶケースが多数を占めています。しかし2~5年働いていると徐々に職場への不満がたまり、転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
- 成長が実感しにくい
- 給与、待遇に不満がある
- 将来への不安がある
- 人間関係が悪い
- 心身に不調をきたした
実際に理学療法士の転職事情の詳細は公表されていませんが、厚生労働省の2019年調査結果によると、様々な職業の中で退職が多い勤務年数は下記のとおり2~5年が一番多くなっています。
私自身も病院に就職し7年勤務していましたが、年数が経つにつれ同じような症例が続き、仕事内容のマンネリ化により成長が感じられなくなりました。将来勤務先の変更があれば対応できないのではないかという不安や、毎年の昇給率の低さにより将来性を感じられなくなってきてしまい、思い切って転職した経緯があります。現在は介護老人保健施設の理学療法士として8年経ちますが今でも楽しく働くことができています。
今回は実際に介護老人保健施設で働いてみて良かったと感じたことを紹介していきます。
今の仕事に悩んでいる理学療法士の方が今後どのようにすれば楽しく生活していけるのか参考にしていただければ幸いです。
私は介護老人保健施設で働くことができて本当に良かったと思っています。
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理学療法士が介護老人保健施設で実際に働いてみて良かったこと5選
収入面、ライフワークバランス、働き方の多様性、将来の安定性、やりがいなど、介護老人保健施設で実際に働いてみて良かったと思うことを順番に紹介していきます。
働きやすい職場であることが分かると思いますよ。
収入アップ
介護老人保健施設で働く理学療法士の年収は平均すると、400万円~550万円前後となっており、全体的には病院など医療施設よりも高い傾向にあります。
高齢化や加算の算定基準の変更などにより介護老人保健施設の理学療法士の求人数も増加傾向にある中、「重労働」「やりがいがない」などの先入観により就職希望者の数は少ないのが現状です。最近は理学療法士の数の増加もあり介護老人保健施設で働く若い理学療法士も増えてきているため施設側の賃金の見直し検討されつつあります。転職は早めに決断したほうが良いでしょう。
実際、私の年収は550万円で転職前より確実に収入は増えています。十分満足とは言い切れませんが理学療法士としての収入ではまずまず良いほうでだと思います。
理学療法士は自己研鑽が必須の職種。参考書の購入(医学書は高いです)や、外部の研修会の参加など自身の職能を高める努力が必要であるため、収入面の余裕は有難いですね。
将来的に家族が増え、子育てや家の購入など人生の中でも生活状況が変化するため、安定した収入を得るためにどのような対策が必要かを考えていく必要があります。
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ライフワークバランスの取れた働き方
介護老人保健施設で働く理学療法士は、残業が少ない傾向にあります。
病院勤務では、勤務後にミーティングや勉強会、症例検討会などが行われることが多いですが、介護老人保健施設ではそのような時間は少ないといえます。
実際、私の職場では月に1~2時間の残業しかありません。
子育てしながら働いている職員も多数在籍しています。定時で帰宅できるため自己研鑽の時間が確保しやすいといえます。また、職場が許可している場合は副業をすることも可能です。
通所リハビリ、訪問リハビリ、ショートステイなどいろいろな形態を経験することができる
介護老人保健施設では入所以外にも通所リハビリ(デイケア)や訪問リハビリ、ショートステイ事業も行っている場合があります。施設入所であれば在宅復帰に3カ月ほどの関りとなりますが、在宅に退所後もリハビリの提供が継続することができます。
リハビリの介入方法についても通所リハビリ、訪問リハビリ、ショートステイそれぞれ違いがあるため経験し個人の経験値を上げていくことができます。
私の職場ではメインの配置をした上で、公休などに合わせて適宜他の業務(入所・通所・訪問)にも従事するシステムをとっています。私自身は現在訪問リハビリ業務を主に担当しています。週4日は訪問、1日は施設入所者、ショートステイ、通所リハビリの業務を担っています。
各事業共に加算の算定上、必要書類や連携が必要であるため主担当は必要ですが、様々な経験ができるためマンネリ化せず新しい気持ちで働くことができます。
高齢者が今後増えていくため安定した利用が見込める
要介護・要支援を合わせた認定者数の推移として、介護保険制度がスタートした2000年では256万人でしたが、2023年では708万人と約2.7倍に増えています。今後高齢化が進んでおり統計的には2024年がピークと言われており988万人に達するといわれています。
これからの介護事業としてはまだまだ必要としている高齢者の数が多いため、健全な経営をしていれば安定した重要が見込めるため、今後も同じ職場で長く働くことができるといえます。
在宅生活復帰といった一定の目的にチームで取り組むためやりがいがある
実際のリハビリ提供時間は、病院施設では最大180分算定できますが、介護老人保健施設では週3回20分(加算算定であれば毎日20分可能)となっており、介入時間がかなり少ない時間となっています。
しかし、介護老人保健施設では個別訓練だけではなく、生活リハビリの設定や自主訓練の指導など、実際の施設内での生活に落とし込み利用者の能力向上に取り組んでいます。
生活リハビリとは利用者が日常を生活する上で、着替えやトイレ動作などの活動内容をリハビリと捉えて、自力でできるように介護職が効果的に支援する方法のことです。
また、入所前に段差の有無や風呂場の形状など実際の在宅環境も確認し、必要な動作が獲得できるように取り組みます。また動作獲得できない場合は、福祉用具の使用や必要な介助内容を伝達しどのように取り組めば在宅生活が継続できるのかを複合的に考えていくためやりがいを感じる仕事といるでしょう。
医師、看護師、介護職、相談員など多職種と力を合わせて、利用者一人一人の身体機能や生活環境、介護力などを考えながらアプローチができるためコミュニケーション能力も磨くことができます。
まとめ
介護老人保健施設で理学療法士が働くことは収入面がアップし残業なく安定した職場環境であるといえます。また、事業所によっては通所リハビリ、訪問リハビリ、ショートステイなどの事業展開もしており、在宅生活を支えるための専門家として働き甲斐のある職場となっています。
もちろん「私は高齢者が嫌い」「病院で働きたい」と考えている方は選択しないほうがよいでしょう。
施設によって特色もあるため必ずこの通りとは言えませんが、今のうちから時間をかけて探しておけばよい職場が見つかると思います。
今後介護老人保健施設で働くデメリットや実際の業務内容など有益な情報を提供しえ行きたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。
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